何度も書かせていただいておりますが、私は2004年の12月までボストンにいました。大学でございます。
そこで起こった病気に関して、いろいろ書こうと思います。
すべての発端である2004年の夏
2004年の夏、日本に帰国していました。8月くらいに歯が痛くなって、歯医者に行ってきました。虫歯でした。しかもかなり大きくて、親知らずに生えていたので抜歯しました。
「虫歯がもうひとつありますよ」と医者に言われたけど、時間がないので治療はしませんでした。来年日本に帰ってくるときまで大丈夫ですかね?と聞いたら、「分からないですね」と言われました。
それから、9月に新学期が始まるのでボストンに戻りました。着いた翌日にもう授業でした。時差ボケもあり、あまり体調は良くなかったです。
異変に気づく
9月中旬くらいになって、どうも歯が痛い。虫歯が悪化したのか?と思いました。
そうこうしているうちに右あご全体が痛くなって、しびれてきた。日本にいる母に相談するも「痛み止めで乗り切れ」と言われた。「とりあえず日本の歯医者で抗生物質もらってきて、速達の航空便で送るから」ということになった。
日本からボストンまでは3日か4日くらいで届いちゃう。到着予定日にUSPSで問い合わせ番号をインターネットで調べていた。しかし、うちのインターネットは電話回線を使っている。インターネット中は電話が使えない。電話が使えない間はインターフォンが使えない。そういうアパートだった。
ちょうど問い合わせ番号を調べていたその瞬間に、配達人がベルを鳴らしていたらしい。1Fにあるポストを見に行ったら「再配達のお知らせ」が入っていた。ガビーン・・・明日は土曜日。月曜日にならないと再配達してもらえないらしい・・・
もはや、鼻全体がしびれていた。触っても感覚がない。そうこうしているうちに、痛みとしびれは頭部全体にまで広がっていた。
日曜日には頭がぜんぶビリビリ・・・今思えば、菌が頭部に行き渡っていたのだろう。
夜寝れず、朝になっても寝れず、午前5時くらいにパソコンでゲームをして気を紛らわしていた。もうすぐ月曜日。朝イチで郵便局にいって、抗生物質が入った郵便物を取りに行こうと思っていた。
ゲームをし終わって、ベッドに入り込んだら、物凄いめまいがしました。天井がまわる~~~。気持ち悪い~~。
寒気がものすごいことになって、シャワーを浴びましたが、全身のふるえは止まりません。口の中が変な感じがしたので、指でさわってみたら、白い粘液がいっぱい出てくる。
死ぬんじゃないのか。
そう思ったら倒れちゃいました。
でも、1人で部屋で死んでしまってはあかん。と思い、日本の母に電話。海外旅行保険のところに電話しろ。とのこと。
アメリカ支店のACE保険さんに電話。しどろもどろになりながら、今の状況を説明。声も小さくなっちゃいました。もう話もできない・・・
「そこから近いのがNew England Medical Centerなので、そちらへタクシーで行って下さい。タクシー代も保険でおりますので、領収書もらってください」とのこと。
がんばろう!生きよう!
とりあえずなんとか外に出ました。タクシーがいない。そもそもタクシーなんて使ったこと無いから、電話番号が分からない。アパートの駐車場で車に乗っていた東洋人に「病院まで連れて行って欲しい」というも、「Quincyの病院なら大丈夫だけど」と言われる。Quincyの病院へ行ったって保険はおりないので却下。
もう1人のアメリカ女性に聞くも、話もあまり聞いてもらえず、すぐに断られた。
しょうがないので駅まで15分かかるが、駅まで歩くしかない。死にそう。ゆっくり歩いてなんとか駅に到着。タクシーがいろいろ泊まっていたので、行き先を伝えて、あとは車内で寝てました。吐き気もひどかったので、ビニール袋も持参。
ERへGO!
とうとうNew England Medical CenterのEMERGENCYに到着(今はTufts Medical Centerに変わっているらしい)。中に入ると問診票だの書かされた。「歯がやばいかも」とか書いた。一刻も争うほど、体がやばい状態。吐き気がすごいので椅子ではなく、テーブルにもたれかかって倒れていた。
1時間以上待たされて、別室へ。英語で自分の症状を伝えたことがないので、どう状況を説明したら良いのか分からない。とりあえず辞書を持ってきていたので、いちいち説明。日本人の通訳も利用できる、と言われたので、頼んだ。
歯を診てもらったら「歯は特に悪くなってないですよ」と言われた。
そういえば待っている間にうんこをしたら、吐き気はなくなっていた。食中毒?と疑ってみた。
「あなたの症状をまとめてみると “Sinusitis” ではないか?」と言われる。
なんですかそれは。辞書で調べてみると、副鼻腔炎?聞いたことない!(※いわゆる蓄膿症です)
とりあえず、安い抗生物質を処方されました。
安心していたら気持ちも落ち着いてきた。帰りは電車で家まで帰った。
アパートに戻って、処方してくれた抗生物質を飲んだら吐き気がした。たぶん副作用が強いのかもしれない。そして、左わき腹が痛い。体温を測ったら35℃くらいしかない。(いつもは36℃ある)。とにかく体が寒い。
心臓とか他の病気かもしれない。そう思って、同じ日の夕方にまたタクシーに乗って、New England Medical Centerへ。
今度は心拍数やら心電図、血液検査などをされた。特に異常はありません、と言われる。
本日合計2回のERで440ドルくらい請求される(保険で全部おりました)。
ボストンの日本人のお医者さんにお世話に。
もらった薬があんまり効かないし、顔面の痛みやしびれもひどいし、ということで、日本語が通じる医者へ行くことにしました。色々不安で仕方がない。
地球の歩き方とかで調べたのか、インターネットで調べたのか覚えていないけど、内科医の「石川定」(SADAMU ISHIKAWA)さんという方が勤務されている病院にしました。
なにやら、St Elizabeth’s Health CareというBrightonにある施設の中の医療施設らしい。電話をしたら、St Elizabeth’s Health Careの○階の何号室に来てください、とのこと。
先生が部屋を出ていた時に撮ってました。いっぱい人形がありました。
先生、50歳くらいだったかな。とても温和で優しい先生でした。部屋中に世界各国からの絵葉書が貼られていました。みんなから好かれてる先生なのかもしれない。
抗生物質を出してもらいました。
こちらが抗生物質です。当時の写真!
あと、痛み止めのタイレノールを教えてもらいました。どこの薬局でも売っているからとオススメしていたので、薬局で買いました。
手術も勧められたけど、怖いので止めました。先生が「僕も以前やってもらったけど、それから鼻の調子良いよ」みたいな事をおっしゃられていた気がします。手術といっても、壮大なやつじゃなくて、簡易的なものだったのかもしれないけど・・・
料金については一切かかりませんでした。エースの海外保険証を先生に渡したら、あとはコピーかなんか取りに行ったりしていたみたいですが、どういうことをしていたかは分からないです。
薬代はあとで請求書などをACE保険のアメリカ支店にまとめて送って、あとお金が戻ってきた気がします。そこらへんはもう10年以上前の話なので覚えてないです。ああ、タクシー代は戻ってきました。
それから何回か、石川先生のところに薬をもらいに行ったりして、徐々に頭部全体のしびれが少しづつ減ってきて、悪化しないレベルになってきました。
あと、心臓とかわき腹の痛み、吐き気などは「パニック障害」の症状だったと推測しています。副鼻腔炎と同時にパニック障害にもなっていたようです。誰も友達もいなかったし(日本人の友達はみんな帰ってしまったので)、知り合いもいない状況で「死ぬかもしれない」だったからかもしれない。でも、精神科とかは受診していませんでした。電車に乗るときなど「逃げられない状況」になると、足がふわふわしてめまいがしていましたから。ちょうど、その時「Abnormal Psychology」(異常心理学)のクラスを取っていて、「Panic Disorder」の章をやっていたのでこれか!と思いました。すべての項目が当てはまっていました。
パニック障害については、また他の記事でいろいろ書こうかなと思います。副鼻腔炎よりもパニック障害の方が大変だった印象がありますけれど・・・
そんなこんなで、色々大変だったけどなんとか大学を卒業しました。これが起こったのが大学最後の学期、2004 Fall Semesterだったのです。とりあえず、2004年のBoston Career Forumには一応行ってみましたが・・・ドコモを1社だけ受けて落ちました。
病気も治したいし早く日本に帰りたい・・・という気持ちが強く、アメリカに居続けようとは思いませんでした。
そして日本に帰った後、仙台から先生に絵葉書を送りました。
そして、日本の耳鼻科へ行って蓄膿症の治療をしました。あれから何年も鼻のしびれは残り・・・いつしか蓄膿症が鼻炎へと変わり、少しづつ良くなってきた感があります。でも、帰国してからずっと耳鼻科へ行っています。疲れてくると鼻がつまりやすくなります。
結局、なんで副鼻腔炎になったのか、原因はいまも分かりません。
- 歯を抜いたことが原因で、しかも時差ボケなどの疲労で免疫が落ちて、感染した。
- 疲労でなった(&昔から鼻がつまりやすい)
この2つのどちらかでしょうか。医者によって、「虫歯とかではよっぽどでないかぎり、あごを突き抜けて副鼻腔まで菌が行くことはない」と言われましたし。「そういうこともありうる」という医者もいましたし。よく分かんないですね。
教訓とまとめ
教訓として、「早めに医者に行こう」ということですね。歯が痛い時はさっさと歯医者へ行こう。しびれを感じたらすぐに診てもらおう。そうすれば、こんな惨事になることはなかったでしょう。日本でもあんなに何年も治療に長引くことはならなかったでしょう。今も行ってますからね、耳鼻科に。
あと、「英語でちゃんと病状や症状を覚えておこう」。いざというときに、ただでさえ痛いしパニックになっているし、日本語でもちゃんと説明できないですし、英語なんて使えたもんじゃないです。
それから、日本人の医者の方がオススメかもしれないですね、留学生は。留学生用の保険でぜんぶおります。しかも、薬の細かい効き具合や副作用なんかも気軽に聞けます。アメリカ人が処方した薬は、ほんと効かなかった・・・しかも副作用がひどかったです。
また、時間に余裕を持っておいた方がいいですね!歯医者は日本に帰国したらすぐに行こう!アメリカに戻るギリギリに歯医者に行くのは絶対ダメ。そして、海外に戻ったら何もしないでゆっくりする時間を作る。栄養を取る。ちゃんと寝る。これが大事です。
そんな訳で病気になったときの話でした。健康は大事だね!
2004年に撮ったなつかしいボストン